読んだ。面白かった。松原隆彦という人の本。
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039684
ブログ主は別に物理学も数学も嫌っていない。しかし相対性理論を理解するために数学を頑張ろうとまでは現状思っていない。ブログ主は楽しんで読んだので、そんな読者には合うかもしれない。
「美術や音楽を創作する才能がなくてもその美しさを楽しむことができるのと同じように、数式を計算する技術がなくても物理学の美しさを楽しむことはできるはずだ。もちろん、技術的な知識があったほうがより楽しめるかもしれないが、それは美術や音楽でも同じことだ。」(30頁)
という意見を著者は述べている。ブログ主はたしかに楽しめたので、著者は実際に楽しめることを本書で示したことになる。まあ事例数としては一つにしかならないけど。
172頁と173頁での記述を読んで「言語学と同じだ-実験的に区別することが望ましいなんて考える者は(少なくとも著名言語学者の間には)いないという点を除けば」と思った。
任意の一理論が「証明も否定もできない理論」であるのかどうかを識別できない(ように見える)のも、大多数の言語学者の(多分)多くの物理学者達と異なる所だろうと思った。
この本は中身は面白いのに書名がいまいち。特に副題は要らないと思う。陳腐な新書の書名にも関わらず手に取ってみて良かった。